《 瀬戸浦地引網 》

ハリヤン、エイヤ、 ハリヤン

四双の中津へ網たておいて

魚がありゃエガ、カカリャエガ

ハリヤン

注 ① エガは、良いがの意味
  ② 徳川時代から歌われていたようである。


《 神    島 》

面白いぞよ、鳥の巣の神島

地から生えたか浮き島か

浮いた島なら流れもするが

地から生えたら流れりゃせん

注 ① 以上二編は雑賀貞次郎氏の文献から


《 瀬戸僅謡 》

下地寒いぞ 円月島の穴で

   西の風吹きゃ尚寒い

西地よいとこ 旭をうけて

   旅の船来りゃ繁昌する

瀬戸の白浜 米ならよかろ

   可愛い男に積ませたい

思うあなたと白浜つれて

   お湯に入って垢するつらさ

注 ① 私の子供の頃の雑記帳より


《 親と娘の間答歌 》

親「娘十七、八嫁入り盛リ タンス長持ち 鋏み箱

  赤ん坊洗うタライまで これ程揃えてやるからに

  必ず戻るな 出てくるな

娘「父さん母さんそりゃ無理よ 千石積んだ船でさえ

  港出る時マンマトモ 途中で風が変われば出て戻る

注 ① 農地の少ない瀬戸では、明治・大正時代、
    船乗りが多かった。これは、そんな家庭の親と娘のやりとりである。


《 住嘉丸 》

住嘉丸 来るか来るかと出て待てば

浜の松風 音ばかり

注 ① 昔は帆船が久しぶりに港に着くと、家族や近所の子供達も、
    早くから浜へ出て、親たちの上陸を待ちました。この歌は
    特に住嘉丸(船長田野永吉氏。他四名)の寄港が歌われている。


《 潮がかり 》

江津良の港に船つける気はないけれど

こいさん見たさに潮がかり

注 ① 明治の初め頃、江津良に「中井こい」という美人がいた。
  ② 潮がかりとは、潮時を待つために船を泊めること。(潮繋り)


※ 以上の三編は瀬戸四丁目の西栄七さんに開かせてもらった。