『歌は世につれ世は歌につれ」という言葉がありますが、まことに歌というものは不思議なもので、その時代、時代の活力を表しているようにも思います。

一かどの知識人は、演歌や流行歌を馬鹿にするようなところがありますが、私はそうは思いません。歌は各地方での町おこしや村おこし、また観光振興のために大変貢献しており、活気に満ちた歌や踊りが、その土地土地の住民に熱気と活力を与えています。そんなところから、各地方で土地伝来の歌や踊りを保存・伝承しています。

私は昭和四十五年から白浜町内に伝わる古い歌や流行歌の発掘に取り掛かったのですが、昭和六十三年に失明後、中座して中途半端な記録に留まってしまいましたが、何らかの参考になれば有り難いと思います。

◇ 小学校の校歌の由来と歌詞

一、白浜第一小学校の校歌の由来は、校歌制定に奔走された田中喜太郎先生が昭和八年八月に夭折されたので、同僚の西村功先生に昭和四十五年頃、お調べ頂いたものであります。

二、瀬戸俚謡や数え歌、舟おろし唄、盆踊り歌等々は瀬戸の古老や船大工さんらから教えてもらったものです。

三、白浜温泉音頭や白浜エレジー白浜小唄などは野口民雄先生や田辺市立図書館の文献や古い新聞などで調べあげたものです。また、竹中一雄先生からは、私がこんなことを調べているということを聞き知って、わざわざ和歌山からお便りを戴きました。現在白浜の観光は、伸び悩んでいると聞いていますが、観光の原点に立ち返って古いものを見いだし、それらに感謝することから出直しませんか。